2022年10月20日の外国為替市場で、一時1ドル=150円台を記録しました。
これは、1990年8月以来、およそ32年ぶりの円安水準です。
2021年1月頃は1ドル=100円前後だったことを考えると、急激なスピードで円安が進行していることがわかります。
(1ドル100円 ⇒ 150円になると、円の価値は33%落ちたことに…。)
このように、「為替ってよくわからないし、自分には関係ない」と思っている人も多いかもしれません。
しかし、為替を意識して対策を取っていないと、気づかないうちに生活が苦しくなってしまう可能性があります。
そこで今回の記事では、「円安」について解説していきます。
- 円安の基本
- 円安の仕組みと歴史
- 円安が生活に与える影響
- 円安に対抗するための個人でできる対策
この記事を読むことで、円安のことが一通り理解でき、お金持ちに一歩近づくことができるはずです。
なぜなら、為替は生活水準や収入、資産額に大きな影響を与えるからです。
実際、多くのお金持ちは為替レートをしっかり意識しているみたいだよ!
少しややこしいけど、一緒に勉強してFIREを目指そうね!
円安とは?
円安を一言で表現すると、「他国の通貨の価値に比べて、円の価値が相対的に下がること」です。
他国の通貨とか、相対的にとか、わかりずらいですよね。すみません。(笑)
わかりやすいように、具体的な数字を使って説明していきます。
ここでは、「アメリカのドル」と「日本の円」を使って考えてみよう!
話を戻します。(笑)
想像してみてください。
1ドル100円の世界があったとします。この世界では「1ドルを手に入れるためには100円を払う」必要があります。
ですが、もしこの世界で1ドルが130円になると、「1ドルを手に入れるためには130円を払う」必要が出て来ます。
こうなるとどうでしょう?
「1ドル」というモノを買うために、昨日までは100円払えば良かったのに、今日になったら130円払わないといけないわけです。
つまりは、「ドルに対する円の価値が下がった」と言うことができるでしょう。
これがいわゆる「円安」です。
逆に、1ドル100円から1ドル80円になった場合には「円高」と表現します。
- 1ドル100円 ⇒ 1ドル130円:「円安」
- 1ドル100円 ⇒ 1ドル80円:「円高」
数字の上下ではなく、価値の上下で「円安・円高」と表現が変わるんだね!分かりにくい…(´-ω-`)(笑)
円安になると私達の生活に様々な影響を及ぼします。
よくわからないからとスルーせず、しっかり理解して自分にできる対策をしておくのが良いでしょう。
円安における影響と対策については、後ほど詳しく解説します!
円安の仕組み
次に、円安の仕組みと歴史について触れておきます。
先ほど、円安とは「他国の通貨の価値に比べて、円の価値が相対的に下がること」と説明しました。
では、どのようにして通貨の価値が決まるのでしょうか。
結論から言うと、「需要と供給」によって決まります。
要するに、「ドルよりも円が欲しい」と言う人が増えれば、円の価値が上がるということです。
モノの価格が決まるのと同じだと考えればわかりやすいでしょうか。
真夏のハワイでは500円で飛ぶように売れるかき氷であっても、真冬の北極では300円でも欲しいと感じる人は少ない
⇒ どうしても売りたければ値段を下げて売るしかないため価格は下がる
これと同じことが通貨同士でも起きているわけです
なるほど。じゃあ今はみんなが、円よりもドルが欲しいと思っているってことだね! それはなんでなんだろう?
現在の歴史的な円安の原因は、「日米の金利差が拡大していること」だと言われています。
アメリカの中央銀行であるFRBは、インフレに対応するため、金利を上げていくことを決定しました。
アメリカの銀行の金利が3%、日本の銀行の金利が0.001%だったら、アメリカの銀行にお金を預けたいと思いますよね。
そのために、円をドルに換えて金利を得たいと考える人が増えた(需要が増えた)わけですね。
ですが、需要と供給の関係はもっと複雑で、金利差以外にもたくさんの要因が深く絡み合っていると考えられます。
考えられる要因を全て説明すると長くなってしまうため、本記事では紹介しません。
こちらの記事が分かりやすかったので、より深く知りたいという方は一度ご覧ください。
為替相場の歴史
上述の通り、為替相場は様々な要因によって決まりますが、現在の「1ドル=150円前後」という相場は、実際どれくらいの円安なのでしょうか。
それを知るために、過去のドル円の推移を見てみましょう。
少し古いデータにはなりますが、とても見やすいグラフだったので引用しました。
日本は戦後長い間1ドル360円の固定相場制でしたが、1973年以降変動為替相場制となりました。
変動為替相場制が導入されてからは、グラフの通り、上下を繰り返して今に至ります。
ちなみに、過去最大の円高は、2011年10月31日に記録した1ドル75.58円です。(2008年のリーマンショックから始まった円高と言われています。)
その後は、安倍政権下で行われたアベノミクスをきっかけに円安に転じ、2015年6月には1ドル125.68円となり、そこからは1ドル100円~120円の間で推移していました。
ちなみに、為替相場において「適正な相場」というものはありません。
円安・円高にはそれぞれメリット・デメリットの両面があるため、判断が非常に難しいところでもあります。
ですが、過去の推移を見る限りだと、1ドル150円という相場は、歴史的な円安であると言えるのではないでしょうか。
「これが適正な価格」というのはないけど、歴史的に見ても「円の価値がかなり下がっている」ということは知っておこう!
円安が我々の生活に与える影響
円安の基本的な仕組みを理解していただいたところで、円安が僕らの生活に与える影響について解説していきます。
影響①:海外から買っているモノやサービスの値段が上がる
円安になると、海外からの輸入品の価格が高くなります。
「自分は海外から輸入なんてしないから関係ない!」と思うかもしれませんが、それは違います。
日本は国土が狭いこともあり資源が少なく、多くモノを海外からの輸入に頼っている状態です。
原油・石炭・天然ガスなどの燃料の価格が上がれば、それに伴う運送コストが上がり、モノの値段は上昇します。
その他にも食料品や原料品などもかなり輸入に頼っているため、円安による家計へのダメージは避けられません。
「生活の質は変えていないのに、年間の出費が10万円以上増えた」なんてことも容易に考えられるのです。
影響②:海外旅行のコストが高くなる
海外旅行にかかるコストも同様です。
現地での10ドルの食事代は、1ドル100円であれば1,000円で済みますが、1ドル150円になれば1,500円払わなければなりません。
宿泊費や飛行機代なども同様に値段が上がってしまいます。
※逆に、日本への観光客は増えることが期待されます。(日本だと安くサービスを受けられるため。)
影響③:外貨建ての資産の購入コストが高くなる
円安になると、海外資産の購入コストが高くなります。
例えば1ドル100円で買えていた株が、150円出さないと買えなくなります。
これから資産形成しようと思っている人には、不利に働いてしまうんだね…。
逆に言えば、既に海外資産を持っている人は、円安になると資産額が増加します。
以上見てきたように、円安になると生活費が上がり、購入できる海外資産が減ってしまうため、資産形成の真っただ中にある僕らにとってはかなり痛手です。
もし今まで、円安、円高というキーワードを聞いた時、「自分には関係ないな」と思っていたのであれば、今後は認識を改めてください。
実際、お金持ちの多くは為替レートをしっかり意識しています。
お金持ちの考え方を真似することが、お金持ちに近づくための第一歩だね!
個人でできる、円安対策
では、円安にはどう対応すれば良いのでしょうか。
外貨建ての資産を保有する
結論からお伝えすると、外貨建ての資産を持つことです。
影響③でも説明した通り、円安になると、円の価値が下がる分相対的に他国の通貨の価値が高くなります。
シーソーをイメージしてもらえるとわかりやすいでしょう。
つまり、外貨建ての資産(外国株式や外国債券、外貨預金など)を持っていれば、下がった分の円の価値を補填してくれるということです。
全世界株式(オルカン)や米国株式(S&P500)などの、広く分散された優良なインデックスファンドに投資していれば、元本の成長にも期待できます。
株式投資には元本割れのリスクがありますが、『15年から20年という長期目線で見れば、世界経済は成長していくだろう』という予測が立てられます。
なぜなら、人間の『こうなるといいな』という願い(欲望)がなくならない限り、科学や技術の進歩によって、誰かがその願いを叶え続けるからです。
これは今までの歴史が証明しています。
- 夜の暗い時間にも活動したい ⇒ 電気
- 東京から名古屋までなるべく早く移動したい ⇒ 新幹線、リニア
- 遠くにいる人と話がしたい ⇒ 携帯電話、スマホ
このように、人の欲望には際限がありません。(良い意味で!w)
今後も新たな技術が生まれ、世の中はより便利になり、それに伴った経済活動が行われることでしょう。
その時、世界経済に投資をしていれば…そう、ウハウハですね!(`・ω・´)(笑)
投資にもリスクはあるけど、円資産だけを持っていることのリスクも考えるべきってことだね。
まとめ:円安を正しく理解し、堅実な対策を取ろう!
今回の記事では、以下の4点について解説しました。
- 円安の基本
- 円安の仕組みと歴史
- 円安が生活に与える影響
- 円安に対抗するための個人でできる対策
円安とは「他国の通貨の価値に比べて、円の価値が相対的に下がること」
- 1ドル100円 ⇒ 1ドル130円:「円安」
- 1ドル100円 ⇒ 1ドル80円:「円高」
- 通貨の価値は、モノの値段と同様に「需要と供給」で決まる
- 現在の円安の原因は、「日米の金利差が拡大していること」だと言われている
- 相場に「適正な価格」はないが、過去の歴史と最近のドル円の推移を考えると、現在の相場は円安だと言える
- 影響①:海外から買っているモノやサービスの値段が上がる
- 影響②:海外旅行のコストが高くなる
- 影響③:外貨建ての資産の購入コストが高くなる
外国株式や外国債券、外貨預金などの外貨建ての資産を保有すること
いかがだったでしょうか。
「やはり為替の話は難しいし、よくわからない」と感じた人も多いかもしれません。
しかし、円安は私達の生活に様々な影響を及ぼします。
よくわからないからとスルーせず、しっかり理解して自分にできる対策をしておくようにしましょう。
円安から資産と生活を守るために必要なのは、外貨建ての資産を持つことです。
全世界株式やS&P500連動のインデックスファンドへ長期投資をしておけば、円安の対策としては十分でしょう。
もし、まだ外貨建ての資産を持っていないなら、無理のない範囲で全世界株式やS&P500連動ファンドへの投資を始めてみましょう!
なお、おすすめの証券口座は、僕自身も実際に使っているSBI証券です。
これを機に投資に挑戦してみてくださいね!(*´ω`*)
ではまたノシ
「円安かぁ…。為替のことって正直よくわかってないし、日本に住む私達にはあまり関係ない話かな~」